浮出し文字の話

看板文字の歴史

看板の文字ですが、手書き、マーキングシート切り文字、インクジェット出力シート、浮き出し文字(立体文字)など様々あろうかと思います。
その昔文字は職人さんの書き文字が主流でした。しかし手間と技術のいる仕事です。大きい文字は紙の書体集を映写し、拡大してトレースします。そこに色を付けて行くのです。

照明看板の文字は光を透過するアクリル切り文字が使われていました。ペンキでそのまま文字を書くと、色むらになったり光を透過しなかったりしたのです。しかし、色物のアクリル板を需要のある色数そろえなければならず、手間とコストのかかる仕様でした。
また、切抜くのも糸ノコを使って切りますので、こちらも大変技術のいる作業でした。

カッティングマシン

やがてカッティングマシンが普及すると、マーキングシート切り文字が主流になります。一般的にはカッティングシートと言われている物です。 ※「カッティングシート」は中川ケミカルの商品名です。
マーキングシート切り文字は、オペレータがコンピュータ操作だけ出来ると簡単に制作できます。技術習得に何年も修行しなくてもすぐに文字を作れるのです。

インクジェットプリンター

その マーキングシート切り文字も、大判インクジェットプリンターの登場によって看板文字の主流が変わって行きます。
それまで、複雑なデザインは全て違う色のマーキングシートを貼り合わせて作っていました。大変時間がかかり労力の多い作業です。大判インクジェットプリンターならパソコンから出力ボタンを押すだけです。複雑なデザインどころか写真や図形、グラデーションなども簡単に出力できます。
大判インクジェットプリンターが台頭した事によって、看板もポスターのような画像が中心のグラフィックになって行きます。必然のように、広告代理店や印刷業の人たちが、看板業界に流れ込んで競合するようになりました。

ましてや印刷業は簡単に億の単位の設備投資がかかる業界です。資本力だけで言えばサイン業界より大きくお金をかけて回していくと言う発想を持っています。インクジェット出力のグラフィックだけでは勝負できない、そう考えたサイン業者は今、昔ながらの職人が手をかけなければ仕上がらない難しい技術の看板を改めて見直しています。参入障壁の高い高付加価値商品です。

そして時代の流れとしても誰もが自己表現を自由に行い、自己実現を図れるそんな社会に変わって来ています。今は他の人とは違う、オンリーワンの看板が望まれています。

それが立体看板です

立体看板とは、「チャンネル文字」「浮き出し文字」「金属箱文字」「切り文字」など、様々な呼び方と種類がありますが、平面ではなく厚みのある作り物の看板の事です。

浮出し文字は、その昔は職人さんが木材を手で彫ったかまぼこ金箔文字などが主流でした。
お茶屋さんなどの看板に多く見えますね。

金属箱文字

その後、パチンコ屋さんなどに見られる大型の金属箱文字が多く作られるようになりました。金属の板を曲げて、箱の形に組んだ文字です。中にネオンなどを仕込んで文字自体が光る内照式の箱文字もありました。
今はLEDが安価になってきた事で、新規製作の内照式金属箱文字はLEDに替わってきてはいますが、ネオン管の配置された内照式金属箱文字もまだまだ現存しています。
ネオンのメンテナンス時期によって、LED化が進められて行くのだろうと思います。

カルプ切り文字

また、厚みのある発泡ボードを切抜くだけで浮き出し文字になる、カルプ切り文字も多く使われています。カルプ切り文字は材料取りの関係上、900mm以下の文字が主流です。
この浮き出し文字は材料を切るだけですから非常に安価のため、小規模事業者のメイン看板などに数多く使われて来ました。柔らかく、軽いので、施工も簡単です。しかも風雨に強く、簡単には劣化しません。
塗装すれば金属箱文字と見た目もほとんど変わりません。高く上がってしまう看板なら何の問題もありません。しかし発泡ボードを切抜いただけですから、目線の高さで見る場合、若干のアラが見えてしまう場合もあり得ます。

ABS樹脂切り文字

近年になってショッピングモールのテナント看板や、アウトレットモールのテナント看板など、比較的目線に近い高さで看板を見る機会が増えています。
そういった場所は高級店であったり、ブランド店であるため、看板の見た目がイコールお店のイメージになります。浮き出し文字はかっこいいので多用されます。しかもただ切るだけではなく、ABS樹脂と言う加工性の高い材料を使う事で、様々な加工を実現できる様になりました。テーパー加工や、面取り加工、かまぼこ加工等です。
それらを組み合わせると非常に面白い意匠を創り出す事が出来ます。高級店、ブランド店にはうってつけの看板文字です。ただし加工に手間をかけていますから、若干価格は高くなります。しかしそれを含めても余りあるリターンがあれば、かっこいい意匠にする価値は十分にあると考えられます。

レーザー切り文字

昔ながらのアクリル切り文字ですが、現在の技術と組み合わせる事で非常に安価でありながら、意匠性の高い切り文字に仕上げる事も可能になりました。
前述しましたが、昔は照明看板用の文字として色のついたカラーアクリルを切抜いて文字にしていました。これは使用する全ての色の板を在庫しなければならず、非常にコストのかかるやり方でした。しかも糸ノコで切っていましたので、職人さんの技術力に仕上がりが左右されてしまいます。照明用の文字としては現在は電飾用のマーキングシートやインクジェット出力シートも出ていますのでそちらに代替になりました。
しかし当のアクリル切り文字は現在はレーザーにて簡単に切抜く事が出来るようになりました。照明看板用の文字としてではなく、意匠性の高い切り文字として重宝されるようになってきたのです。
しかもレーザー加工の場合、非常に小さな加工が出来ます。文字を切抜いた上に模様を彫刻したりなども可能になりました。昔は彫刻屋さんが一文字ずつ彫刻色入れしていたネームプレート等も簡単に制作できるようになりました。
透明アクリルを切抜いた場合、レーザーの熱で切りぬいていますので、切り口の断面が非常にキレイに仕上がります。簡単で安く美しい。非常にありがたい切り文字になりました。両面テープごと切抜きできますので、施工も非常に簡単です。
予算は掛けたくないけど浮き出し文字にはしたい、などの人にはとても良い切り文字かもしれないですね。

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